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お買い得な産廃処理 神戸

顧客に謝らなければと、転勤した社員の上司にかけあうと「なんでオレが謝りに行くのか」と言った。 正社員は、転勤までの短期間に目に見える売り上げを上げればいいと必死で、長い目で見た顧客の利便は二の次になっているように見えた。
新興の業界だったこともあり、中堅の正社員は異業種から転職してきた三十代の男性が多い。 住宅のことをあまり知らず、暮らしやその地域についても知らない。
数字を追いかけて「業績」を上げ、転勤していく正社員たちの仕事ぶりを、IMさんは、はらはらしながら見守るしかなかった。 地域へ異動して行く正社員には覚えきれない。
細かな商品知識も、ベテランのパートに聞かないとわからないことが多かった。 IMさんが勤めていた十年の間に転勤していった正社員は十人以上にのぼった。
その一人が、本社での正社員研修から戻って「研修では、レポートでパートの有効活用について書くと高得点をもらえる」と周囲に話していた。 「現場を支え、正社員に教えているのは私たちパート。
そういう働き手を、正社員が「有効活用」だなんて」と笑いたくなった。 店頭で聞いた顧客の要望や店の改善点について、上司に直言すると嫌な顔をされ、契約打ち切りもほのめかされるようになった。
勤務のシフト表で、IMさんの労働時間は急速に減らされていった。 理由は「業績が伸びていないから人手がいらない」というものだったが、IMさんより経験も専門知識もないパートが長時間のシフトに入り、新しいパートも採用していた。

時給制で労働時間を減らされたため、月収は五万円程度に落ちた。 「解雇なんて面倒なことを、わざわざ言い渡す必要はない。
こうやって働く時間を減らしていけば、パートは食べていけなくなって自発的にやめていくんだ」と知った。 顧客は、大手企業の子会社だから、質のいい仕事をしてくれると期待して店にやってくる。
だが、実際の仕事の多くは多数の低賃金のパートに割り当て、その利益で正社員を養っているように思えた。 正社員も、頻繁な転勤と絞り込まれた人数で多数のパートを束ねることに追われ、実質的な仕事ができるような状態ではないのが気の毒だった。
人件費減らしに懸命になって、会社が空洞化しているとIMさんは感じ始めていた。 確かに、大手企業の系列だけあって、申し出ればパートも社会保険に加入させるなど同じ地域の同業他社に比べれば良心的な方だった。
親切な正社員もたくさんいた。 だが、一線の実務をパートが担っているのに、そのパートに発言権がないため顧客の要望を意思決定層に上げにくいのは同じだ。
「踏ん張ってもお客様に迷惑をかけるだけ。 地域に根づいて暮らしていかねばならない私たちパートは、正社員のように転勤で逃げられない。
これ以上、顧客との板挟みになりたくない」。 IMさんは○六年、会社をやめた。

この会社の広報担当は、「欠陥だらけの千五百万円相当のリフォームエ事」について、「当時の工事について当該の店を通じて洗い出したところ、それらしき額の受注はあった」と話す。 だが、「お客様からの要望に合わせて手直しをし、ご満足をいただいていた」と答えた。
また、「店長との定期的な面談の機会も設けており、パートだから発言できないことはない」と言う。 これに対しIMさんは、「手直しして苦情がなかったというのは、私たちが、お客様の納得がいくよう奔走し、なんとか苦情を収めたから。
本社はなんにも知らない」と反論する。 「定期的な面談」については、笑っただけだった。
一線で顧客に接するのは、いまやこうした非正社員がほとんどだ。 IMさんの職場のように、パートと正社員とで仕事が分かれている例だけでなく、正社員とほとんど同じ仕事をしているパートも多い。
パートの多い職場の正社員は、パートの管理に忙殺され、実務に手が回らない場合も少なくない。 ところが、一線を預かる非正社員には、職場の運営についての権限はほとんどないことが多い。
こうした非正社員たちからは、一線の情報にもとづいた職場の改善が遅れがちになり、現場に根ざした顧客のニーズは経営に反映されにくくなるとの声がいくつも聞こえてくる。 「カネはあるところにはある、そのカネを使いたくなるモノやサービスを生み出せば事態はもっとよくなる」という提言が進まない背景に、そんな職場の「ギクシャク」がある場合が少なくない。
「うちの職場は事実上、正職員が一人もいない。 仕事は非常勤だけでやっているんです」。

〇八年二月、東京都内の男女共同参画センターの非常勤職員、HMさん(仮名:四十八)は言った。 以前、取材で知り合ったHMさんが、「勤め先が別の機関に委託されることになり、今年春で契盤約更新は打ち切ると突然言われた」と相談にやってきたのだった。
HMさんは、主婦から再就職を目指して大学院で女性学や社会学を学び、いくつかの自治体で非常勤として男女共同参画のイベント立案や情報誌の編集に携わってきた。 今の勤め先で事業担当の非常勤職員を募集していると聞いて応募、○六年に採用された。
雇い主は、区が管理を委託した財団で、一年契約で五年まで更新できるという条件だった。 働き始めて、センターは専門職の非常勤三人と、アルバイト十三人だけで運営されていることを知った。
出勤初日からアルバイトに「責任者」と呼ばれ、企画だけでなく、経理伝票の処理や予算計画、図書室もある広い施設の管理も任された。 事業担当とあったので、イベント企画の立案だけを担当するのかと考えていたが、仕事の八割はこうした施設管理の仕事で占められた。
朝九時から夜十時までの開館時間を、非正職員十六人でシフトを組んで運営する。 勤務時間中は管理の仕事に追われ、本筋のはずの企画の仕事は持ち帰り残業になった。
自治体から出向してきた正職員に、月一回の休館日も会議などがあるので休むなと言われた。 財団本部で行う月二回のミーティングにも必ず出席するよう要請された。
図書室の蔵書点検が毎年六月に二一日間行われるが、これも休まず担当するようにとのことだった。 ほぼ正職員並みに月十八日働いて、月収は税込み二十万円と半分程度だった。
非常勤は仕事に期限がある。 勉強に通ってキャリアアップし、次に備えなければと思うが、その時間がない。

さらに困ったのは、子どもの学校の行事だった。 運動会やPTAで休みたいと言うと、管理職に嫌な顔をされた。
正職員が「夏休みなので、次のミーティングは休ませてもらいます」とさらりと申し出て、これがあっさりと認められるのを見て力が抜けた。 そうしたいくつもの責任の一方で、利用者の使い勝手をよくしようとする提案は、なかなか受け入れられなかった。
利用者に接しているのは非常勤職員だが、その発言権は弱い。 利用者の生の姿をじかに見る機会がない区や財団には、その切実さはわからないと、もどかしかった。
HMさんは、家庭との両立が難しいために社会進出がしにくい女性たちを手助けする施設なのだから、母親も参加できる託児付き講座が必要だと考えた。 提案したが、託児付きになったのは数えるほどだった。
○七年、顔に傷などがある人が化粧でカバーすることによって元気に生きられるようになる「リハビリメーク」の講座に会議室を使いたいと、区民が問い合わせてきた。

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